打ち上げ見学ツーリングのすすめ。

 極東のケープカナベラル、鹿児島県肝属町内之浦(旧・内之浦町)

鹿児島県にはロケットを打上げる施設が2カ所あります。

国内最大級のロケットを打上げる種子島は超有名ですよね。
それともう一つは?   肝属町内之浦(旧・内之浦町)という所ですが、ご存じでしたか?
陸路で行くことの出来る、日本で唯一のロケット実験場です。


   内之浦の叶岳山頂のバンガローで
に、似合わない・・・

要チェック!! TV@ISAS  宇宙科学研究所の紹介や打ち上げLIVE等楽しめます。




  <内之浦と種子島の違い>

 多分、皆様はご存知だとは思いますが、一応書いておきますね。

 種子島で打ち上げられる人工衛星は、「ひまわり」に代表されるように、生活に実際に役立つ、いわゆる実用衛星の打上げを行っています。

 それに引きかえ内之浦は、ハレー彗星観測やX線観測衛星など、調査研究用に使用される科学衛星の打上げを行う役割を担っています。

 ロケットは、種子島の液体燃料型に比べ、内之浦の方は衛星打上げ用ロケットとしては、世界でも類をみない、固体燃料3段式のロケットを採用しています。

 現在では写真左の M−V(ミュー5型)が、衛星投入の主力ロケットとなっていて、直径2.5mの機体から発せられる轟音は、おしっこちびりそうな迫力です。(失礼!)

 現在では、イプシロンロケットを主力として多くの見学者を集める一大イベントとなっています。

 内之浦の発射場では、写真のような大型ロケットばかりではなく、高々度観測用の直径31cm、13.5cmなどの小型のロケットも打上げられています。  小型といっても、迫力は満点ですよ。


 (写真提供:ISAS



打上げ&キャンプを楽しもう!
 <キャンプ、ツーリング&打上げのご案内>

そもそも、このHPをご覧になられている方々の中でも 「ロケット打上げを見学したことがある
という方は非常に少ないのではないかと思います。
ここでは、M-V型ロケットの打上げを楽しむための、おおまかな案内をしたいと思います。

 (実験期間)
  内之浦でのロケット打上げ実験は、大きく2月(冬期)と7〜8月(夏期)の2シーズンに分けられます。
  あまり良くは知りませんが、漁業協定の関係とか、年間を通じて気候が安定して打上げに最適な時
  期だからではないでしょうか。
 (打上げ時期の確認)
  ISAS(文部科学省宇宙科学研究所)のホームページには、M-V型ロケットの打ち上げスケジュールが
  掲載されています、こまめにチェックをしておきましょう。
 (宿にするか、キャンプにするか)
  打上げ時間は昼間だけとは限りません、午前中であったり、真夜中の3時であったり。
  冬場の打上げの場合、キャンプは結構つらいものがありますよね。
  
  大型ロケットの場合、ギャラリーは軽く500人を超えます、いかんせん小さな町ですので主要な宿はすぐに
  満杯になってしまいます。 
  宿の場合は打上げ日がわかった時点で、即、押さえたほうが無難でしょう。

  宿情報は 内之浦町のHPにもあります。

  ただ、車中泊をされる方も多く、迷惑にならないよう事前にリサーチをしておくことは重要です。

 (見学所)
  ロケット実験場から南に約2kmのところに見学所があります。

  小型のSS-520クラスまでなら直接見学所の駐車場に乗り込みは可能ですが、大型ロケットは内之浦漁港
  からシャトルバスで乗り込む形になっているみたいです。
  これは事前予約(抽選)となっているようですので、二か月ほど前には肝付町のホームページで要確認。

  広い駐車場もありますので、1日前からキャンプする場合には最適でしょう。
  ただし、発射時刻が近づくにしたがって、車で満杯になりますので、テントは端っこに設営するのが礼儀。

  仮設トイレはありました。 

  見学所から発射台とロケットは肉眼でも見えますが、双眼鏡は持って行ったほうがいいでしょう。

  なお、見学場所を確保したいのなら、3時間前以前に到着することをお薦めします。
  2時間前をすぎると、場所の確保が困難になり、発射直前には、動くのも困難な状況になります。。

 (道路)
  実験場付近の道路は、打上げ30分前から通行止めになります。
  直前に到着すればいいや! と、思っていると思わぬ落とし穴が・・・・・
 (打上げについて)

  予定どおり発射されるか・・・・・・ 100%予定通り打上がる保証はできません。
  天候、ロケットの不具合、各追跡局の機器の不調など、 打上げ 1秒前でも中止・延期になる
  可能性があります。  せっかく遠路はるばるやってきたのに・・・ と怒ってもしょうがないのです。
  無駄足になることは、覚悟して行ってください。

 ここでちょっと休憩・・・

  ロケット実験場は、実験期間以外は自由に基地内部を見学出来ます。
  M台地、L台地、パラボラアンテナ。
  敷地も広いが、設備のスケールもデカイ!!。 入場無料

  お勧めは基地入り口近くにある資料館。
  ロケットの歴史を沢山の模型で見ることが出来ます。是非足を運んでみてください。

  以前、ロケットを組み立てしている所を見せてもらったことがありますが、
  恐ろしくクーラーが利いていたのは印象的でした。
  (一応断っておきますが、普通はロケット組立て作業は見学出来ませんので あしからず)
 L台地のロケット模型(M−3C型)
 (タイムスケジュール)

  ロケット打上げは、タイムスケジュールによって進行していきます。
  2時間前には海域をチェックしたり、気球を飛ばしたり、整備棟からロケットを出したり。
  これらは全て見学所のスピーカーを通して聞くことが出来ます。

  打上げの一番の楽しみは、意外とこういうところにあるのかもしれません。
  ちょっとビールを片手に、バイクとキャンプとロケット打上げを楽しむ・・・・  いいと思いませんか。?
 (打上げの様子)

  刻一刻と打ち上げ時間が近づいてくると、人も多くなり、打ち上げアナウンス
  も緊張度を増してきます。
  人によっては、発射1日前からベストの席を陣取っている人もいるぐらいです。

  ロケットが整備棟から出てくる時は、会場全員の視線が釘付けになります。

  いよいよカウントダウン!、

  "発射準備、すべて完了しております。"
  "あと1分ほどで コントローラ、スタートします。"
  "コントローラ スタートします、ヨーイはい1分前!!、59、58、57、56 ・・・・"

  全員のカウントダウンの声があたりを包みます。

  一瞬、閃光がはしった後、ロケットは静かに上昇を始めます。 音はまだ聞こえません。
  5秒ぐらい遅れて、バリバリバリ!と地響きを伴う轟音が。
  普段の生活では絶対体験できない凄まじいものです。

  大抵の人は歓声をあげ、打上げに感激した年配の女性が涙を流して
  喜んでいるところも見たことがありますよ。


                                              (写真提供:ISAS)
 (打上げ後も忙しい人々)
  見学者は無事打上がってよかったー、さあ帰ろうかな。。。。 となります。
  ですが、実験スタッフは大変です、無事衛星を軌道に投入するまで気が抜けない様子は、スピーカーを通してもよくわかります。
  緊張の後、軌道が確立すると、スピーカー越しにスタッフの歓声が聞こえます、ここまで約2〜3時間でしょうか。
  
  最後まで居座るか? 打上げ直後に出発するかは あなたの時間の許すところまで。
  一度見たら、まず誰でも2回目を行きたいと思うはずです。

  内之浦と高山町を結ぶ国見トンネルも開通してカーブの多い海岸線を通らずにいけるようになりました。
  H15〜H16年の間に合計4機のロケットの打ち上げも予定されていますので、一度くらいは、見に行ってみませんか?

  あ、それと、Route MIYAZAKI をやっている関係で一言!
  内之浦に行くときは、宮崎県を経由して行ってくださいね。(爆)


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